甘酒は近年、ちょっとしたブームが手伝いおなじみの食品となりました。
お店で売り場をご覧いただくと、種類が豊富でさまざまな味があるとよく分かります。どれを選べばよいか迷うことがありませんか。
本日は甘酒の、主に種類や選び方・食べ方などについて、弊社社長馬場に話を聞きました。皆さまにわかりやすくお伝えしたいと思います。
備州甘酒の特徴と糖分
「備州甘酒」はどんな甘酒ですか?
社長
どうして砂糖を使わずに甘酒は甘くなるのでしょうか?
米こうじ(お米で作った麹)の酵素が糖化を行うからです。米こうじに含まれるアミラーゼという消化酵素がデンプンをブドウ糖に分解する。これを糖化といいます。
ちょうどレンコンのようにつながったデンプンをアミラーゼが細かく分解し、ブドウ糖を作ります。
アミラーゼは、私たちのだ液にも含まれます。ごはんをよく噛んで食べると消化が良くなる。これと同じことが甘酒の製造工程でおこなわれ、米こうじ甘酒は甘くなるのです。
作られた甘味成分であるブドウ糖は、デンプンよりも小さく分解されているため飲んだ時に甘さを感じます。
では甘酒に残っている粒はお米ですか?
社長
甘酒のバリエーション
他にはどんな甘酒がありますが?
甘酒には3種類あります。
- 酒粕を使う酒粕甘酒
- 米こうじを使った本づくり甘酒
- 麹を極限まで減らし、麹の代わりに抽出した酵素でつくる酵素甘酒
酒粕を使う時は砂糖を入れてつくります。酒粕のにおいもします。微量ですがアルコール分も残っています。
本づくりは香り良くて、コクもある。砂糖は入っていません。アルコール発酵していないのでアルコール分もありません。飲む点滴といわれるのはこの本づくり甘酒です。
本づくり甘酒には「のべ作り」と「かた作り」の2種類があります。
かた作りは希釈用の甘酒です。薄めて飲む甘酒の素というとわかりやすいですか。
弊社で製造しているのは「かた作り」甘酒です。米こうじとご飯を炊いたものを仕込んで作ったものを「かた作り」といいます。一般にいうストレートの甘酒はこの「かた作り」を伸ばしたものです。
「のべ作り」は米こうじにお湯を入れて糖化させるもの。すぐに飲む場合はいいけど保存性は良くありません。すぐに酸っぱくなります。
社長
そして3番目の「酵素づくり」は麹の香りがしません。甘さはあるけどすっきりした味です。
飲む点滴と呼ばれるのはなぜですか?
とても栄養豊富だからだと思いますよ。
水分も多いし、ブドウ糖の糖分にミネラル分、米の繊維が多いでしょ。ビタミン分にたんぱく質。栄養豊富だからね。
社長
酒粕甘酒と米こうじ甘酒に栄養的な違いはありますか?
酒を造る工程を終えたあとにできるのが酒粕。これも大切な副産物。上手に利用されてきたんですね。その酒粕を使って作るのが酒粕甘酒。これも元々お米だから材料としては同じものを使っているわけだけど、酒自体、麹を使う量は少ないんですよ。
酒母(~しゅぼ~日本酒醸造のために、蒸した米・麹・水を用いて優良な酵母を培養したもの)にどんどん蒸米をいれて作っていく、それを発酵させるのが酒。使っている元の麹は少ない。酒粕甘酒の場合、酵母から作るミネラル分が多いんですね。発酵しているから糖分は少ない。したがって砂糖を入れる必要があります。
麹が持つミネラルと酵母が持つミネラルは違うので、栄養的な違いはそのあたりかな。
こちらのページにも酒粕甘酒と米こうじ甘酒の違いについて詳しく説明しています。
米とこうじだけで作った完全無添加【国産米100% 備州甘酒】
甘酒をおいしく飲むための話
では砂糖を使う使わないがカロリーの違いですか?
甘酒は味覚に合わせて薄めて飲むものだから、出来上がったもので考えなくてはいけません。
栄養表示がいくらと書いてあっても人によって使用量が違うからね。100グラムあたりいくらであろうが濃くしてたくさん飲む人と、砂糖が入っていても薄めで少量飲む人ではどちらがどうとはいえないでしょ。
プラス砂糖とブドウ糖のカロリーの違いだってあります。
社長
甘酒は糖尿病の方にはあまりお勧めできませんか?
食べてはいけない食品がある、という考え方でなく食べる量で考える必要があります。甘酒飲むなら、ごはんの量を減らさないと。
糖尿病の人にはカロリーは高いと思いますよ。だって糖だもん。
ただ、低血糖を起こしたときに甘酒を飲むと効き目は速いですよ。ブドウ糖だから砂糖よりも分子が小さくて吸収が速い。
社長
甘酒を飲む時間帯で好ましいのは?
頭が活性化しますから、朝がいいですね。
でも夜もいいですけどね。食物繊維が多いから、便秘にいいよ。甘酒の一番いいところは食物繊維が多いこと。麹の塊だから。麹の菌糸が水溶性の植物繊維そのものだし、うちの甘酒は米こうじをたくさん使ってるからね。6~7割は麹だから多いです。寝る直前に甘いものを飲むのは感心ではありませんけど。
甘酒は温めるのと冷やして飲むのとどちらがいいですか?
冷たい甘酒が飲みたい場合は、一回沸かして冷やした方がいいです。なぜならば生の甘酒の中には強い消化酵素があるから。そのまま飲むと胃や粘膜を傷める可能性があります。胃かいようの人はダメよ。
一回炊いて冷やしたら酵素が死んでるから大丈夫。
さもなくば、たんぱく質やデンプンとか他のいろんなものと一緒に混ぜて使いましょう。ストレートでも冷たくても構いません。
例えば甘酒をジャムの代わりにパンに塗る。ジュースの中にいれる、ドレッシングにして野菜と一緒に食べたりすれば生でも安心です。
離乳食に使う人は必ず温めたものを冷まして使ってください。酵素が強いから。
社長
紅麹あまざけについて
新商品「紅麹あまざけ」についておしえてください。
甘酒がからだに良い食品であると十分にご理解下さったと思います。このたび弊社では「備州甘酒」に健康食品の「紅麹」を加え、新しく販売を開始いたしました。
もともと弊社には、紅麹を利用した商品にみそ、ひしおもろみ、桃太郎金山寺といったラインナップがあります。中でも「紅麹あまざけ」は紅麹の最もいい所を活用した商品です。紅麹のことを少し調べてみて下さい。からだに良い成分をたくさん含んでいる食品であるとわかっていただけると思います。
話題の紅麹に含まれる有効成分GABAとモナコリンについて解説します
紅麹はとてもデリケートな性質で、培養・生産には衛生環境・温度など厳格な管理が必要とされる食品です。弊社では国内の信頼できる会社で生産された紅麹を購入し原材料としています。
紅麹はその紅色をいかし、焼き菓子やおかきやパンにピンク色をつける着色料として使うことができます。食紅よりも断然安心の健康食材です。
紅麹あまざけは2倍~2.5倍に希釈して飲んでいただけます。本当にかわいいピンク色になりますよ。ぜひお試しください。
まとめ
いかがでしたか。
甘酒について話を聞いてまいりましたが、ご理解いただけたでしょうか。
ノンアルコールでノンシュガー。栄養豊富で「飲む点滴」と称される米こうじ甘酒。
甘酒を選ぶときには商品の裏にある原材料表示を見てください。「備州甘酒」は「米麹」と「米」だけでできています。何も添加されていません。 違いをよくご理解いただき、お好みの味を探していただけましたら幸いです。
甘酒は家で炊飯器の保温機能を使って手作りができます。作り方についても、よくお問い合わせを頂戴します。
次回は馬場商店の秘伝の味「甘酒レシピ」を公開します。ご家庭でプロの味を試してみられませんか。詳しくはこちらのページををご覧ください。
このページでご紹介したのはこちらの商品です。
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