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暑くなると色が変わるのはなぜ?~安心!味噌・甘酒の取り扱いポイント~

こんにちは。いつも馬場商店のホームページをご覧いただきありがとうございます。
皆様に発酵食品の良さをお伝えし、より健康的な生活に役立つ情報やレシピなどご紹介していきたいと思っておりますので宜しくお願いします。

さて、近年の様に気温が高い日が増えるのに合わせて増えてくる問合せについてお話していきたいと思います。
それは味噌や甘酒の色が濃くなる事です。発酵食品の性質を良く知っている私どもとしてはごく普通の熟成の過程なのですが、最近は様々な加工食品で色や香りの変化が見られなくなり、皆様の身近な事では無くなってきました。
その為、お客様の中には不良品を購入したと心配される方が増えています。そんな不安にお答えしつつ、お好みの状態をキープ出来る方法もお伝えしたいと思います。

発酵食品とは

近年の食品は一昔前に比べて、流通も保存方法も格段に良くなりました。例えば鮮魚なんかは生きたまま遠方まで輸送できる様になっています。同じように出来立ての商品が出来た時のまま手元に届くことが当たり前となっています。しかしながらそもそも保存食品として作られている発酵食品は本来変化していく事で品質を保持しているの食品なのです。

発酵てどういう事?

発酵とは食品を微生物の力で人に有益なものに変化させることです。
よく、「腐るのと発酵するのとは何が違うの?」と言った質問を受けることがありますが、この「腐る」も「発酵」も食品を微生物が分解していくということに関しては全く同じなんです。違いは人にとって「腐る=有害なもの」、「発酵=有益なもの」を生産するかどうかです。食事経験の少ない子供や日本食に不慣れな人は日本の発酵食品が苦手な人が多いのですが、これは、人間が本能的に「酸っぱい=腐ってる」、「苦い=毒」と判断する為なんですね。発酵食品の独特な味や香りには「酸味」や「苦味」が含まれている為、食べなれていないと苦手な事も。子供のころは苦手だったけど大人になって食べると美味しい・・・こんな感覚になるのは発酵食品の美味しさが経験によって培われるからなんです。

発酵食品は偶然の産物

人が動物の本能のまま暮らしていれば食べられることのないはずだった発酵食品ですが生まれたきっかけは偶然の連続です。たまたま煮大豆を藁で包んで保管していたら納豆ができましたし、ミルクをヤギの胃袋で出来た水筒に入れて砂漠を旅してヨーグルトができました。この様な経験を積み重ね、安全に食品を保存できるよう試行錯誤して生まれてきたんですね。味噌や甘酒も偶然の産物で紀元前700年以前の中国で生まれ飛鳥時代に日本に入ってきたのが最初と言われています。

*各国の発酵食品の誕生は歴史が深く、文献も残っていないものがほとんどなので誕生ヒストリーには諸説あります。

世界各地の発酵食品

発酵食品には色々な種類がありますが、日本食で言うと代表的なものは、味噌、醤油、酢、みりん、日本酒、納豆、漬物、甘酒や塩麹 etc・・・と言ったものがあります。どれも日本人なら一度は食べたことのあるものばかりですね。少しびっくりするもので言えば、かつお節も発酵食品なんです。なんだか乾物と間違われやすいのですが、ただのカツオの干物ではありません。何度も発酵を繰り返して作られているとっても手間ひま掛けた発酵食品なんですよ。
世界に目を向けるとチーズやヨーグルト、キムチやピクルス、ワイン、サワークラウト、豆板醤、アンチョビ、サラミ、ちょっと変わった視点からパンも酵母の発酵の力を利用しているので発酵食品と言えますね。その土地の気候や風土に合わせて様々な発酵食品が生み出されているのがよく分かります。

発酵食品の色や香りが変化するメカニズム

発酵食品の色や香りの変化するメカニズムには発酵食品によってもまちまちなのですが、今回は「味噌」で説明していきたいと思います。

味噌の発酵について

まず、味噌には大豆を糖とアミノ酸に分解してくれる「麹」とその糖やアミノ酸を分解して特有の風味を生み出す「酵母」という微生物によって発酵し、大豆が味噌へと変化していきます。同じ材料を使って同じように発酵させても違う味にになるのは、風味を左右する酵母の違いです。この酵母は味噌を仕込む段階で加える種水というものに入っていますが空気中にもたくさん浮遊して、自然と混ぜこまれていきます。だから作る環境が少し違うだけで味も違ってくるんです。空気中に浮遊している酵母が混ぜこまれて・・・と言うと悪い菌が混ざってたらどうするんだ⁉って心配になりますが実は心配いりません。味噌の材料に塩が入っていますよね・・・体の作りが単純な病原菌にとってこの塩が豊富に含まれている環境では悪さができるほど増える事が出来ないんです。(奴らも悪さする為にはそれなりの菌数がいるんです。1匹じゃとても人間の免疫システムにはかないません)ですので味噌の中で増えることができるのは塩に強い限られた酵母で、一般的に病原菌が増えたりはしないんです。食中毒などで有名な腸管出血性大腸菌O-157も味噌の中では増殖できないという研究結果もあるんです。

たまに使わないで長い事保存していた味噌の表面に白いカビ状のものができることがありますが、これは表面の乾燥により酵母が形態を変えた為です。酵母や麹のような微生物は環境に合わせて体の形を変えることがあります。これが白いカビ状のものの正体ですので、決して悪いカビが生えた訳ではないので安心してください。このカビ状になった酵母は体に害はありませんが、味噌の風味を損なうので、取り除いてお使いください。

MEMO
味噌の表面ではなく中に白い塊が出来ることもありますが、これはアミノ酸の一種であるチロシンと呼ばれるものの結晶です。心配いらないものですからよく混ぜてお使いください。

味噌の色が変わるメカニズム

味噌は時間が経ち熟成が進んでいくと色が濃くなっていきます。これは主に味噌の中でメイラード反応という反応が起こっている為なんです。このメイラード反応というのは糖とアミノ酸に熱を加える事で進んでいく反応で、味噌の材料である大豆や米から麹菌によって大量に作り出されている糖やアミノ酸が自然と結びついてゆっくりメイラード反応が起きるのですが、夏場になると急激に外気温が上昇しますよね。どれだけ温度変化の少ない所に置いていても外気の影響を受けて少なからず味噌の中の温度も上昇します。すると冬場に比べて急激にメイラード反応が進み色が濃く熟成していくのです。これが味噌の色が夏場に濃くなる原因なのですがこれは味噌における熟成の過程の一つなんです。甘酒も原料がお米ですのでアミノ酸と糖が豊富で同様な反応が起きています。

MEMO
メイラード反応は糖とアミノ酸が多く含まれる場合によく起こる反応で自然にじわじわと起こるのですが、熱を加えることにより、より加速します。私たちの身近でもよく見られていて、カレーなどを作るときあめ色玉ねぎを作ったりしますが、この玉ねぎの色の変化もメイラード反応により起こっています。ごくごく身近な反応なんですね。
賞味期限どうしよう 賞味期限が切れたみそは食べれる?食べれない?

近年経験できなくなった「熟成」

近頃の食品の管理は非常に厳密に細やかなものとなりました。食品衛生法による基準をクリアした、いわゆる「ちゃんとした食品」しか店頭で販売できません。皆さん「ちゃんとした食品」ってどんなイメージでしょうか?色鮮やかで、香り高く、形も美しい・・・そんなイメージですよね。また賞味期限内であればその状態がキープできているイメージもありますね。これは食品・包材・物流・・・といった各分野の技術の向上の賜物です。このような管理が行き届いた状態で発酵食品の色や香りが変化すると「腐っている」と皆さんに誤解されてしまうのは「発酵」と「腐敗」で同じ事が起こってしまうからなんです。例えば牛乳が乳酸菌によりヨーグルトが出来ますが、腐敗菌だと腐ってしまいます。どちらも菌が増殖したことにより起こっていますし独特の香や味がします。一見して判断できませんし、区別できるだけの経験を得る場も少ないので皆さんが不安になってしまうのも当然という訳です。

ちゃんとした食品のイメージ1
ちゃんとした食品のイメージ2

最後に

最近はお味噌でも「買った時はもっと色は薄かった」とお問合せがくる事が増えました。もちろん、商品の品質には何ら問題ありません。不安はそのままにされない方がよいので、どんどん質問頂きたいのですが、どうしても、「変色=腐敗」が頭を離れず、最後まで美味しく召し上がって頂けない方もいらっしゃいます。人は色が変わるだけでも味や香りが変わったと感じる為、人によってはお好みでない味になってしまうこともあります。そのような時は、直接味の分かる食べ方でなく、調味料として使って頂けたらと思います。お味噌はお塩の代わりとして、甘酒は砂糖の代わりとして使えます。例えばお味噌を塩や醤油代わりに玉子焼きに入れるとふっくらして上手に焼けますし、煮物の砂糖替わりとして甘酒を入れるのも◎また、甘酒は唐揚げの下味に最適です。酵素の力でお肉は柔らかくジューシーに仕上がります。

そうは言っても、買った時のまま最後まで食べきりたい!!そんな方には味噌や甘酒を冷凍保存して頂くことをお勧めします。袋やカップのままポンと冷凍してください。そうすることで最後まで買った時のままの色や味をお楽しみ頂けますし、賞味期限が過ぎても問題なくお召し上がり頂けます。冷凍してしまうと凍って使えないから・・・と思う方もおられると思いますが、大丈夫!シャーベット状になって使いやすいんです。ちなみに冷蔵庫の温度では、ゆるやかですが熟成が進みます。色も比べたら濃いかな?ぐらいには変わっています。ですので、すぐ使っちゃうという方は冷蔵庫で、なかなか使いきれないという方は冷凍庫で保存して頂くと長くお使いいただけます。当社の商品は未開封のものは常温で保存頂けますが、熟成具合を調節する方法として、冷蔵又は冷凍での保管をお勧めしています。夏場のエアコンのついていないお部屋は大変暑くなりますので、是非お試し下さい。また、興味があれば、熟成したものも楽しんでみて頂けたらと思います。

いかがでしょうか。まとめると次のようになります。

  • 発酵とは微生物が食品を人に有益なものにする事
  • 発酵食品の色や香りの変化は熟成の証
  • 熟成を促すメイラード反応は熱によって進むため夏場に特に色が変わりやすい
  • 冷凍保存すれば熟成を止めることができる

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