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どうしよう 賞味期限が切れたみそは食べれる?食べれない?

賞味期限

岡山県のみそ屋、馬場商店です。

冷蔵庫や戸棚に入れたまま賞味期限が切れたみそを見つけてしまったとき、あなたはどうしますか?

みそは保存食品であるため、食べていただける場合が多いのです。

「捨てなきゃダメかしら。」と思われた方、できればその前にこのページを一度ご覧下さい。

みそと賞味期限

「うっかりみその賞味期限を過ぎてしまったけど大丈夫?」
こういったお問い合わせは、たびたびいただきます。

どなたでも賞味期限にはたいへん敏感です。表示なんて普段気にしないけど賞味期限だけは気にするという方もいらっしゃるでしょう。口に入るものだから当然です。

賞味期限はおいしく食べられる期限として定めたものです。この期限を過ぎると食べられなくなるというものではありません。

消費期限とは「この時までに食べてほしいとされる期限」。少し意味がちがうことで知られています。

みそは日持ちがする食品ですので消費期限は表示されず、賞味期限のみ表示されます。

では、賞味期限は誰がどんな根拠で決めたものでしょうか。

賞味期限は製造者が決めたもの

賞味期限を決定するのは、製造者です。弊社が製造したものは弊社が決定しています。

製造者は自分がつくる食品のことを一番よく知っています。
自分がつくるもの、一番おいしいタイミングはいつか、どのように保存すればよいか、味はどのような変化をするのか、それらを一番知っているのは作っている本人です。

賞味期限は決してあいまいな感覚によって決めていることではなく、

  • 食品素材の水分や固さ・phなど性質にもとづく論理的な根拠
  • 生菌数や有害な物質の有無を調査する科学的な試験
  • 実際に食べて味の違いを検査する試験
これらの結果を受けて製造者の責任で決定されるものです。
MEMO
参考として国や地方自治体はガイドラインを定めていますが強制力はありません。しかし一般にはこのガイドラインとおよそかけ離れた期限に設定はしていません。

このように、みその製造者はガイドラインに準じて賞味期限を表示していますが、賞味期限を過ぎたものでもまだ食べられることを知っています。

発酵食品が腐らないといわれるのはなぜか

「もともと発酵食品だから腐らない」
みそや甘酒のことをよくご存知の方はこのようにいわれます。

理屈のわからない人にとってはこのようなひとことも謎のひとつ。当然「なぜ?」という疑問がわきます。

「腐らない」といわれる理由はあります。発酵食品の保存性が高い理由は、拮抗作用がはたらくからです。

拮抗作用とは 生物の体のある現象に対して二つの要因が同時に働いて、互いにその効果を打ち消し合う作用のこと。

引用:ウィキペディア

つまり相反する作用が同時に存在し、お互いの作用を打ち消すことが拮抗作用です。

例えば「みそ」というのは、ゆでた大豆に塩と麹を混ぜて作ります。

材料となるゆでた大豆を2つの方法で置いておくとします。

  1. そのまま放置する
  2. 塩と麹を混ぜておく
放っておいた(1)の大豆は、雑菌によって腐ります。
一方(2)の大豆は麹菌のはたらきで「みそ」になっていきます。

(1)の大豆におきたことは腐敗です。(2)は発酵です。
(1)も(2)も微生物による分解が行われたのですが、(2)の大豆には塩が加えてあり、麹菌という発酵菌がいたので雑菌が増殖できなかったのです。

「発酵菌が繁殖している場所に原則、腐敗菌が増殖できない」

つまりこれが拮抗作用。発酵を利用して作られるみそが腐敗しにくい理由です。

もちろんみそが開封済みであったか、未開封であったのか、雑菌が入りやすい環境で保管していたのか、フタの状態は?など保管状態にも影響します。ダシ入りなど、添加物の有無も影響します。

保管状態がわからない限り、製造者として絶対に腐らないとは言い切れませんが「この期限まではおいしく食べていただける」と考えられる期限を賞味期限として表示しているのです。

「腐らない」という言葉はあながち間違っておりません。

賞味期限が過ぎたらどう変化する

メイラード反応
みそは時と共に色が濃く変化します。
こちらの画像は、弊社が製造している白みそです。

賞味期限が過ぎているものですが、時間と共に変色しているのが見てわかります。
これがメイラード反応と呼ばれるものです。

一見、どんどん熟成して味も品質も変化しているかのように見て取れます。
「大丈夫かしら?」と思ってしまうかもしれませんが、ほぼ色だけの変化です。

一番左の1年くらいたっている白みそは風味は変わっているかもしれませんが、腐ったりなどはしていません。

塩分も変わりなく白みそのままです。赤くなっていますが、赤みそになったりはしません。食べることもできます。
実際に少量をお湯に溶かして味を確かめてみてください。おいしいと感じられればそのままお料理にお使いください。

みその中にある酵素のはたらきとは関係なく、アミノ酸が糖分と反応して褐色に変化する現象です。

栄養成分は変わりありません。

メイラード反応は湿度が多いと強くなり、明るい場所に置いておくとはやくすすみます。

みそは冷蔵庫に保管すると、変化を感じない程度にメイラード反応を遅らせることができます。

色が変わったみそは漬け床にするなど、早めにお使いください。

正しい保管の仕方で最後までおいしく

菌の活動は5℃を境に鈍るので、使用中であったり手作りで味も風味も変えたくなければ冷蔵保管することをおすすめします。

みそは表面が乾燥すると白いのようなカビのようなものが出てくることがあります。これは酵母の一種です。
食べても無害ですが、においや味わいを損ないます。その部分は取り除くことをおすすめします。

タル入りやカップ入り、タッパーに移して使用していると側面に残ったみそが白くカピカピになってしまいます。
ゴムベラなどを使って取り除き、みその表面は乾燥を防ぐためラップを密着させると酵母の発生を防ぎおいしく食べていただくことができます。

まとめ

いかがでしたか。

  • 賞味期限が切れていても、保管状態がよければ食べられるケースが多い
  • 賞味期限はおいしく食べられるリミットであり、食べられないリミットではない
  • 賞味期限に関係なくみその色はだんだん濃くなるものである
  • 保管は冷蔵庫がおすすめ
一番頼りになるのは、あなたの味覚です。発酵食品は冷蔵庫がなかった時代に食品の保存方法の一つとして利用していたものです。

賞味期限が切れたものを口にするのは少し勇気が必要ですが、こういった性質の食べ物もあるのだと覚えておいていただければ嬉しく思います。

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